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白いシャツに黒のズボン、しっかりと横分けした髪にうっすらとヒゲを生やして、すっかり"大人の男性"に変身したトビー・マッガイアが姿を現した。一年半余り前の「ワンダー・ボーイズ」で会った時は、どぎまぎしている少年だったのに、「スパイダー・マン」の大役を得て、責任感あふれた、信念を持つ青年の顔になっている。
-まず、クモは好き? 「嫌いじゃないよ。子供の頃から見つけると殺したりしないで、ソーっと外に出してあげてたし。役の上でクモになると決まってからは、ずーっとクモに対しての同士愛みたいな感情が芽生えて、じーっと動きを観察して、居間の床で真似してみたり、話しかけたりしてるんだ。クモって、よーく見ていると結構面白い虫なんだよ!」 -子供の頃、コミック漫画のファンだった? 「ゼーンゼン。土曜の朝のTVマンガも見なかったし、コミック・ブックなんて読んだこともなかった。だから監督のサム・レイミがものすごく詳しくて、しつこいぐらいに僕に色々なコミックのキャラクターについてレクチャーしてくれたんだ。 -共演者のクリスティン・ダンストに会ったら病気が治ってしまったのですって? 「監督と大勢の若手女優に会ったのだけど、どうもメアリー・ジェーンの役にぴったりなタイプが見つからなくて、ある日クリスティンはどうか、と誰かが進言してきたんだ。ところが彼女はヨーロッパにいて、僕らはベルリンでおち合うスケジュールを立てたのだけれど、前日に僕は扁桃腺が腫れて、ものすごい熱が出てしまい、医者は外国旅行などダメと言う。監督にドクター・ストップで行けないと告げたら、そんな勝手なことを言ってる場合じゃないと僕のコンディションなんかあまり気にしてないんだ。仕方なくベルリンまで死にそうな気分で行ったら、まずフロントにクリスティンから"遠くまでわざわざ来て下さってありがとう"というメッセージがあって、ちょっとは報われた気になったわけ。それから二人のからみを演じるスクリーン・テストを行ったのだけど、部屋に彼女が入ってきたら、パーっと明るくなって、僕の熱や、だるさが吹っ飛んでしまったんだ。ケミストリーが合致したのか、僕の病気が快方に向かっていたのか、クスリが効いたのか、色々と原因はあるだろうけれど、彼女を見た時からすっかり元気になってしまったんだ」。 ライミ監督は、クリスティンの癒しパワーと呼んでいたが、ここで仲良くなったトビーとキルスティンは、撮影中も周囲がやっかむ程にカップルぶりを発揮していたものの、今はキッパリと恋人ではないと言い切るのである。 -前に子供の時はものすごく貧乏で、福祉用食品券を使っていたこともあった、と言っていましたが、続篇、続々篇では2200万ドルのギャラを受けるとか。今はどんな気分ですか? 「僕は基本的に物質主義を拒否する姿勢をとって生きていくつもり。もちろん、成功した気分はかけがえのないものだし、母や二人の弟が安定した暮らしを送れるようになったのを見ると、とても幸せな気持ちになるし。自分の人生を振り返ってみると、僕はとても感情的になってしまう。今のところ、2200万ドルなどという金額は僕の概念を越えたものだから考えることもない。ただ言えることは、こういう財産を社会のために有効に使いたいと思っている。良い映画を作るための資産にする考えもあるし。家とか、車などということに不必要に使ったりすることは絶対にないと保証できるけど」。 -スタジオはトビーよりも、ジュード・ロウとか、ヒース・レッジャーといった俳優を起用したかったそうですが、スパイダー・マンにふさわしくない、という評価についての気持ちを話して下さいますか。 「監督が僕を使わなければ、この映画はできない、と言ってくれて、スタジオの不信と戦い続けてくれたんだ。どの位、役にふさわしいか、という証拠を見せるためにビデオを撮ったのだけど、最初はほとんど、ピーターの方の演技だったから、スパイダー・マンになってのスクリーンの映り工合を要求してきた。既に連日の特訓を続けていたから、エラスチックのスーツに身を包んでアクション・シーンを試してみたのだが、自慢の筋肉がスーツの上からはよく分からないんだ。だから上半身ハダカになって、胴のところからタイツのようにスーツをはいてクモ動きをしたら、見事にOKが来た。監督の手腕を信じていたから僕はもう体型作りを自分で始めていたのが非常に役に立ったんだ。もっとも役が決まってからも抗議の手紙がたくさん届いた、という話は聞いている。でも僕はそういった雑音は気にしないタイプなんだ」。 いざ映画を見ればほとんどのスパイダー・マン・ファンは十分に納得して、トビーに拍手を贈るに違いない。 |
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