大豆を発酵させた日本の納豆は、高タンパク、コレステロールフリー、ローカロリーの健康食品として知られている。しかし、いかんせん、あの独特の匂いとネバネバはいただけないという人も少なくない。そこでお奨めしたいのがインドネシアの大豆発酵食品、テンぺ(Tempeh)だ。テンペに含まれるたんぱく質はおよそ20パーセント。鶏肉や牛肉に引けを取らず、卵よりはるかに多い。伝統的に仏教を信仰し、動物性食品をほとんど食べなかった日本人が、納豆や豆腐からタンパク質を摂取してきたように、豚を食べないイスラム教徒にとってテンペは貴重なタンパク源なのだ。しかも発酵過程でたんぱく質や脂肪が消化吸収しやすいように分解されているので、大豆そのものよりも調理時間が短くて済む。またビタミンB郡に富み、とりわけベジタリアン食に欠乏しがちなB12を豊富に含む
ことから、菜食主義者にとっては欠かすことのできない、ありがたい食品だ。豆腐と違い、大豆を丸ごと使っているので食物繊維も豊富だ。これだけ栄養価が高く、しかも低カロリー(100グラム当たり150〜200カロリー)、コレステロールフリーの無塩食品なので、心臓病や糖尿病、肝硬変など生活習慣病の人も扱いやすい。
テンペは納豆と同様、水で煮た丸大豆に種菌を混ぜ、発酵させて作られる。納豆と違う点は菌の種類が違うことと、発酵期間が通常1〜2日と短いことだ。納豆のような匂いやネバネバはなく、味も大豆そのままでとても淡白だ。発酵した大豆がくっつきあってチーズのように固まったものがパックされて、8オンスが1〜2ドル程度で売られている。料理はアイデア次第で自由自在。インドネシアでは油で揚げて、スパイシーなソースで食べたり、ココナッツミルクといっしょに料理したりすることが多いようだが、日本人には生姜醤油や照り焼きのタレなどで味付けするのが好まれる。だしで煮たり、シチューに肉の代わりに入れてもいいし、フライパンで焼いたり、油で揚げたり、炒めたりしてもおいしい。柔らかく蒸してミンチ状にし、肉団子やシュウマイにすることもできる。いずれにしても、テンペをおいしく食べるには味をしっかりと付けることがポイント。 |
【作り方】
まずテンペを食べやすい大きさに切る。フライパンで焼くなら厚さ半分にスライスするといい。20〜30分間ほど蒸してから、照り焼きのタレか、生姜醤油に1時間から数時間漬けておく。これを油を引いたフライパンで両面こんがり焼くか、油で揚げる。漬けタレにはカレー粉などのスパイスを加えてもいいし、焼く前は塩水に漬けて、食べる時にバーベキュー・ソースなどを添えてもいい。焼いたテンペと野菜をパンに挟むと満足感のあるベジタリアン・バーガーになるし、フライド・ポテトのように切って揚げるとビールに当てになる。

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