ホームEditor's Pick>People Interview>伊藤泰正さん
J Magazine:合気道を始めたきっかけは何だったんですか?

伊藤さん:日本の大学のクラブで始めたんですが、合気道が好きだというよりも、クラブ自体が楽しくて続けていたんです。それでもなんだかんだとやっていく内に、キャプテンになって、4年間で2段も取りました。

J Magazine:最初、アメリカへは短期留学の予定だったんですよね。留学中にまで合気道を始めたのはなぜですか?

伊藤さん:日本で就職も決まっていたし、始めは半年で帰国する予定だったんです。それに僕はアメリカに来てまで合気道をしようとは思ってなかったのですが、日本での師匠にボストンに行くのなら金井先生という方に挨拶をしろと言われて。それで挨拶に行ったら、金井先生に稽古着は持っているかと聞かれました。「持っているのなら明日ここで会いましょう。」と。何かの役に立つかと思って稽古着は持っていたし、特に予定も無かったので次の日稽古に行ったんですが、そこからですね、僕の人生が変わったのは。

J Magazine:と、言うと?

伊藤さん:金井先生という方は本当にすごい方で、僕は合気道だけでなく、全ての事を先生から学んだんです。それこそ料理から釣りや生き方に至るまで、ほんとに何でもです。それで、もっと先生の側で色んな事を学びたいと思って、帰国を中止することにしたんです。

J Magazine:すごい影響力ですね。金井先生の道場には、日本人の他に地元のアメリカ人の方も沢山いたんですか?

伊藤さん:金井先生の教えに心酔して、日本人だけでなく色々な国の人達が先生の周りに集まっていました。先生は決して私たちに細かく指導はしませんでしたが、側で見ているだけでいろんな事を学びました。道場での練習は、アメリカ人の方たちが本当に熱心なので驚きました。僕はすでに日本で2段を持っていた訳ですが、すぐに抜かれるんじゃないかという恐怖すら感じました。

J Magazine:去年、金井先生が亡くなられたわけですが、道場を引き継ぐのではなく、新しく立ち上げたのはなぜですか?

伊藤さん:先生の道場は別の門下生が引き継いでいます。簡単に言えば、考え方の違いですね。僕を含む、この鉄枯塾の立ち上げメンバーは、みんな金井先生が残してくれた素晴らしい教えを残して行きたいと考えていますが、引き継いだメンバーはどちらかというとビジネス的な要素が強くて・・。それで僕らは僕らで新しい道場を立ち上げようということになりました。

J Magazine:具体的に金井先生の教えとはどんなものなんですか?

伊藤さん:武道とは教えるものではなく、導くものだという事。教えられた事は簡単に忘れますが、導かれて身に付いた事は身になりますから。あと、アメリカは契約社会ですが、そういった形式的なものではなく、人と人との信頼をとても大切にします。そういった先生からいただいた思いやりや優しさを武道を通して伝えて行きたいですね。
(インタビュー/和谷尚美・写真/吉田真理)
伊藤 泰正さん
(鉄枯塾チーフインストラクター)

千葉県出身。1977年に語学留学のため米国、ボストンに渡る。そこで後の恩師となる金井満也氏と出会い、指導を受ける。金井氏の死後、今年9月に道場の仲間と共に鉄枯塾を立ち上げた。
                    
鉄枯塾 Aikido Tekko Juku Dojo
場所:Boston University School of Theater Arts, Room 105
住所:855 Commonwealth Ave, Boston MA
クラス日時:月〜金 5:30pm6:30pm
水・木 7am-8am
土 12pm-2pm 日 10am-12pm
月謝:学生 $20
BU Theater Student & Stuff 無料
メンバー $80 週末のみ $40 1クラス $10