ホームEditor's Pick>People Interview>野村陽子さん
J Magazine:大学では工芸文化を学ばれていたんですよね。
野村さん:そうなんです。日本庭園をメインに設計とかデザインを勉強しました。日本庭園というのは、精神的なものを表現する部分がすごく大きいのですが、やはり結婚して子供が生まれるとなかなかそういった余裕がなくなってきて。

J Magazine:それでジュエリーを?
野村さん: ジュエリーは比較的最近始めたんです。学生時代からアートを学んで、表現する事に興味はあったんですが、なにが自分にできるのか、何が自分にあっているかというのはなかなか見つからなくて。

J Magazine :では、今に至るまで色々なことに挑戦されたんですか?
野村さん:そうですね。ただ、ジュエリーを始めたきっかけというのは、ムービングセールで家具を揃えようと探していた時に、電化製品を譲って下さった方がされていたジュエリーがすごく素敵で、聞いてみたらご自分で作っていらっしゃるというので興味を持ったことからなんです。それで、彼女が師事しているMarcia.D氏という方を紹介していただいて、習い始めたんです。

J Magazine:すごい偶然ですね。
野村さん:そうなんです。でも、Marciaというのはほんとにアーティスティックなデザイナーで、何を教えてくれるって言う訳ではなくて、最初はほんとに戸惑ったんですよ。日本だったら、授業というのは流れがある程度決まってますよね。でも彼女のクラスは、「あなたは何がしたいの?何を作りたいの?」というところから始まるんです。とにかく、彼女の考えや表現法にものすごく影響を受けて。クラス自体は2期だけしか取らなかったのですが、今もプライベートでよく会います。

J Magazine:ジュエリーメイキングの楽しさを彼女から学んだ訳ですね。
野村さん:そうなんです。

J Magazine:野村さんにとってジュエリーメイキングの魅力ってなんでしょう?
野村さん:色々ありますけど、ジュエリーって素材が固いじゃないですか。最初はほんとにつまらないただの板なんですけど、そこから表情を加えていって徐々に形になって行くという行程がやっぱりおもしろいですね。特に今は注文を受けてカスタムメイドでデザインをしていて、例えばご夫婦の記念でしたら二人だけの思い出のイメージを、なにかシンボリックなものに変換して形にする。それをずっと大切に使っていただけるというのは素晴らしいですよね。

J Magazine:お子さんがいらっしゃるとのことですが、創作活動はいつされてるんですか?
野村さん:主に夜中、家族が寝てしまってからですね。子供は、母親が違う事に意識を向けていると敏感に感じ取るので、寂しい思いをさせないように昼間は母親業に集中しています。

母親業とデザイナー業を完璧にこなす野村さん。柔らかい笑顔と優しい声が印象的でした。残念ながら先月日本に帰国されましたが、引き続きボストンからのカスタムオーダー(送料$5程度)も受け付けているそうなので、興味のある人はhttp://www.quirkoffate.comを覗いてみよう。

(インタビュー・文/和谷尚美、写真/吉田真理)







野村 陽子さん
(ジュエリーデザイナー)

大学では工芸、文科、特に日本庭園を中心に歴史、概念、デザイン総合を学ぶ。学芸員資格取得。漆工芸に興味を抱き製作もしている。ボストンにて偶然ジュエリーメイキングに出会う。二児の母。